都市部と地方のどちらかで定住しようと考えた時に、住宅価格は定住するための決め手となります。
都市部は地方に比べて住宅価格が高くなる傾向がありますが、利便性が良いことや住宅に資産価値があるなどの魅力があるのです。
一方で地方暮らしには、自然豊かなことや住宅価格が低いなどの利点があります。
ここでは、都市部と地方の住宅価格の違いや両者の良い点や悪い点について解説します。
この記事でわかること
- 都市部の方が地方より住宅価格は高い
- 都市部の住宅には資産価値がある
- 都市部のマンション価格は高騰している
- マンション価格は変動する可能性あり
- 都市部は人口が集中している地域のこと
- 地方は必ずしも田舎ではない
- 都市部暮らしの良い点は利便性が良いこと
- 地方暮らしの利点は自然豊かなこと
都市部の方が地方より住宅価格は高い
都市部の方が、地方より住宅価格は高いとされています。
都市部の住宅は、利便性に優れていることから人気があり、住宅価格は年々上昇しています。
2021年に国土交通省が公表した公示地価平均で、比較してみましょう。
公示地価とは、国が毎年3月に公表する土地価格のことです。
その年の1月1日時点での全国の標準地の土地価格を公表するもので、一般の土地取引の目安として利用されます。
地方別公示地価平均
地方 | 公示地価平均 |
---|---|
東北地方 | 7万0097円/㎡ |
関東地方 | 45万2526円/㎡ |
中部地方 | 12万5937円/㎡ |
関西地方 | 20万0906円/㎡ |
中国地方 | 8万9730円/㎡ |
四国地方 | 6万3711円/㎡ |
九州地方 | 11万5291円/㎡ |
参照元:土地代データ
地方別で比較して見ると、関東地方が公示地価平均が高いことが分かります。
関東地方に分類される地域は、東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県・群馬県・栃木県・茨城県です。
次に都市部に当てはまる県を含む関西地方、中部地方が続きます。
さらに、公示地価平均上位の都道府県と下位の都道府県を比較してみましょう。
公示地価平均上位3県
都道府県 | 公示地価平均 |
---|---|
東京都 | 112万9366円/㎡ |
大阪府 | 31万1722円/㎡ |
京都府 | 26万8612円/㎡ |
この表から分かるように、東京都や大阪府は都市部に分類される地域であり、公示地価平均の上位を占めているのです。
その中でも東京都の公示地価平均は、112万9366円/㎡で全国の中で高い数値を誇ります。
公示地価平均下位3県
都道府県 | 公示地価平均 |
---|---|
秋田県 | 2万5203円/㎡ |
青森県 | 2万9836円/㎡ |
山形県 | 3万3210円/㎡ |
地方に分類される秋田県や青森県を東京都と比較すると、1㎡あたり110万程度の差があります。
公示地価平均上位の東京都と下位の秋田県を、比較してみましょう。
全国の建売住宅平均の㎡数が101.1㎡であり、坪数で換算するとおおよそ30坪です。
都道府県 | 土地価格 |
---|---|
東京都 | 約1億1418万円 |
秋田県 | 約255万円 |
表から分かるように、同じ㎡数の土地を購入したとしても、価格は大きく異なるのです。
この差は歴然で、東京都を中心とする都市部の住宅価格が高いことが分かります。
マンション価格は建売住宅よりも高い
マンション価格は、都市部に限らず地方でも建売住宅よりも高くなる傾向にあります。
建売住宅・新築マンション・中古マンションの住宅価格を地域別で比較してみましょう。
建売住宅 | 新築マンション | 中古マンション | |
---|---|---|---|
首都圏 | 3,899万円 | 4,913万円 | 3,295万円 |
近畿圏 | 3,778万円 | 4,478万円 | 2,654万円 |
東海圏 | 3,650万円 | 4,262万円 | 2,208万円 |
その他 | 3,372万円 | 3,864万円 | 2,601万円 |
全国 | 3,572万円 | 4,528万円 | 3,026万円 |
参照元:フラット35利用者調査
建売住宅では、都市部の価格がその他の地域と全国平均を上回っているのが特徴です。
マンションの場合は、都市部などの利便性が良い地域のマンションは高騰しています。
マンションの場合は、都市部などの利便性が良い地域のマンションは高騰しています。
中古マンションであっても、利便性が良く需要のある地域の場合は、購入した価格よりも売却時は高くなることがあるのです。
都市部の住宅価格が高い理由は資産価値があるから
都市部の住宅価格が高い理由は、資産価値があるからとされています。
住宅を購入する際に、資産価値がある物件であることを条件としている人は多くいます。
住宅購入時は、売却する時のことも考慮して物件を探さなければなりません。
しかし、国によって定められている木材住宅の耐用年数は22年とされており、戸建住宅は築25年を過ぎると価値はほぼ0円となります。
さらにマンションの場合は、1年でもたてば価値は下落するものの資産価値の下落は緩やかで、すぐに価値がなくなることはありません。
マンションの価値がなくなることはありませんが、築25年を経過するとマンションの価値は購入時の半分ほどになる可能性があります。
このように一般的には、年数とともに住宅価格は下落するのですが、都市部では住宅価格が購入時よりも上昇することがあるのです。
都市部のマンションは価格変動がある
マンションの価格変動は、その年によって異なり近年は上昇傾向にあります。
都市部マンションの価格を年ごとに比較してみましょう。
地域 | 21年 | 20年 | 19年 | 18年 | 17年 | 16年 | 15年 | 14年 | 13年 | 12年 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
首都圏 | 6,260 | 6,083 | 5,980 | 5,871 | 5,908 | 5,490 | 5,518 | 5,060 | 4,929 | 4,540 |
近畿圏 | 4,562 | 4,181 | 3,866 | 3,844 | 3,836 | 3,919 | 3,788 | 3,647 | 3,496 | 3,438 |
全国平均 | 5,115 | 4,971 | 4,787 | 4,759 | 4,739 | 4,560 | 4,618 | 4,306 | 4,174 | 3,824 |
参照元:全国マンション市場動向2021
首都圏では、2012年と2021年を比較するとマンション価格は1720万円上昇しています。
近畿圏では、1124万円の上昇で全国平均で見ると1,291万円です。
都市部マンションの価格が上昇する要因は、以下のようなものがあります。
- 地価が上昇している
- 2013年の金融緩和により住宅ローン金利が低下
- 建築費や資材の価格高騰
それぞれ、詳しく解説していきます。
地価の上昇
都市部の地価は上昇傾向にあり、地価が上昇すると建物価格も自然と上がるのです。
都市部と地方の地価上昇率を、比較してみましょう。
令和4年 | 令和3年 | 令和2年 | 平成31年数 | 平成30年 | |
---|---|---|---|---|---|
東京圏 | 0.8 | ▲0.5 | 2.3 | 2.2 | 1.7 |
大阪圏 | 0.2 | ▲0.7 | 1.8 | 1.6 | 1.1 |
名古屋圏 | 1.2 | ▲1.1 | 1.9 | 2.1 | 1.4 |
地方圏 | 0.5 | ▲0.3 | 0.8 | 0.4 | 0.0 |
全国 | 0.6 | ▲0.5 | 1.4 | 1.2 | 0.7 |
参照元:全国の地価動向
都市部の地価は、インバウンド効果が影響して上昇傾向にありましたが、下落した時期もありました。
現在は2年ぶりに地価は上昇し、今後も大きく変化する可能性があります。
金融緩和による住宅ローン金利の低下
2016年に金融緩和によるマイナス金利政策が実施され、住宅ローンの金利が低下しました。
金融緩和とは、景気回復のために政策金利を下げたり、投資や消費などを促したりする金融政策のことを意味します。
金融緩和は、景気が悪い時に景気を上向かせるために行われる政策の1つです。
現在、多くの銀行が融資先を必要としているため、住宅ローンの低金利は続いています。
さらに、長期間固定金利で住宅ローンが組めるフラット35が普及したことも、購入者の増加に繋がっているのです。
したがって、住宅を購入しやすい環境が整っているため、需要が高まるにつれて住宅の価格高騰は避けられません。
建築費や資材の価格高騰
住宅を建設するために必要な資材の価格が高騰していることも、マンション価格が高騰する要因の1つです。
2021年の始めから、資材の価格高騰が始まりました。
木材が高騰・不足していることをウッドショック、銅材が高騰・不足していることをアイアンショックと呼びます。
参照元:今月のグラフ(2022年1月)資材価格高騰で住宅価格に上昇圧力
日本では、木材や銅材は輸入に頼っているため、海外から資材が入ってこなければ品薄となってしまうのです。
木材や銅材は、建物を建てるのに必要となる建築資材なため、資材の価格が高騰すると結果として住宅価格も高騰します。
地方でも地方四市である北海道や福岡県で地価が上がっている場所がある
地方で、現在地価が上がっている場所もあります。
地方四市である北海道札幌市や宮城県仙台市、広島県広島市、福岡県福岡市は住宅地と商業地ともに地価が上昇しています。
参照元:令和4年地価公示地方圏
その中でも変動率上位の地域を、見てみましょう。
令和3年公示価格(円/㎡) | 令和4年公示価格(円/㎡) | 変動率(%) | |
---|---|---|---|
北海道北広島市 | 36,500 | 46,000 | 26.0 |
北海道北広島市 | 38,000 | 47,000 | 23.7 |
北海道北広島市 | 24,500 | 29,800 | 21.6 |
北海道石狩市 | 15,500 | 18,800 | 21.3 |
北海道北広島市 | 27,100 | 32,500 | 19.9 |
参照元:令和4年地価公示概要
公示地価が上昇する理由として、再開発や利便性が良くなることなどが挙げられます。
変動率上位の北海道北広島市の場合は、札幌市の住宅価格が上がり、土地の値段が安い北広島市に家を建設したい人が増えているために公示地価が上がったのです。
地方の方が土地を入手しやすい
地方は都市部と比較して、土地を入手しやすい利点があります。
都市部で土地を購入する場合は、地価の高さから広い土地を簡単には購入できません。
土地を予算内に購入できたとしても、狭小住宅を建設しなければならない可能性が高くなります。
狭小住宅の場合は、駐車場を確保することが難しいため、別途駐車場を借りるなどの費用も必要です。
さらに、地価が高い都市部では固定資産税も高額になるため、住宅にかかる費用は自然と多くなります。
一方地方では地価が低いことから、都市部と同じ土地価格だとしても、広い土地を購入できます。
広い土地を購入すると駐車場も確保できるため、別途でかかる費用もありません。
広い土地に住宅を建設したい人や駐車場を確保したい人は、地方に土地を購入しましょう。
人口が集中している都市部と3大都市圏を除く地方との違い
都市部とされている地域と地方に分類される地域には、それぞれ特徴があります。
地域が違うと、住宅の形態や周辺の環境は大きく異なるのです。
都市部と地方の違いを曖昧にされることがありますが、国土交通省が明確にしています。
都市部とは、東京圏•大阪圏•名古屋圏の3大都市圏のことです。
地方とは、4大地方を含むその他の地域を意味します。
都市部とは人口の集中や政治・経済・文化の中心とされている場所
都市部とは人口が集中している地域であり、政治や経済•文化の中心とされている場所です。
3大都市圏の人口割合は、令和4年1月1日現在52.53%となります。
全国人口の50%以上の人が都市部で生活をしており、都市部に人口が集中しているのです。
参照元:住民基本台帳
3大都市圏には、以下の都市が含まれます。
3大都市圏と定めている都市 | |
---|---|
東京圏 | 東京都・千葉県・埼玉県・神奈川県・茨城県 |
大阪圏 | 大阪府・京都府・奈良県・兵庫県 |
名古屋圏 | 愛知県・三重県 |
都市部とは人口が集中しており、生活や交通の利便性が良いところです。
都市部の住宅は、都市型住宅と呼ばれます。
都市部で家を建設する場合は、狭い土地や周囲の環境を考慮した家づくりが必要となります。
都市型住宅の利点は、狭い土地に建物を建設するため階数が多くなり、日光を比較的簡単に取り入れられるようになることです。
さらに、敷地が小さいと動線も短くなり、効率よく動けるのです。
掃除や家事の時間短縮になることも、都市型住宅の魅力の1つです。
地方とは3大都市圏を除く地域のこと
地方とは、東京圏・大阪圏・名古屋圏の3都市圏を除く地域のことを指します。
地方には、4大地方や政令指定都市も含まれます。
国土交通省が定めている地方とは、以下の通りです。
地方区分 | 国土交通省が定めている地方 |
---|---|
北海道地方 | 北海道 |
東北地方 | 青森県・岩手県・宮城県・秋田県・山形県・福島県・新潟県 |
関東地方 | 茨城県(東京圏を除く)・栃木県・群馬県・埼玉県(東京圏を除く)・千葉県(東京圏を除く)・東京都(東京圏を除く)・神奈川県(東京圏を除く)・山梨県・長野県 |
北陸地方 | 富山県・石川県・福井県 |
中部地方 | 岐阜県・静岡県・愛知県(名古屋圏を除く)・三重県(名古屋圏を除く) |
近畿地方 | 滋賀県・京都府(大阪圏を除く)・兵庫県(大阪圏を除く)・和歌山県 |
中国地方 | 鳥取県・島根県・岡山県・広島県・山口県 |
四国地方 | 徳島県・香川県・愛媛県・高知県 |
九州・沖縄地方 | 福岡県・佐賀県・長崎県・熊本県・大分県・宮崎県・鹿児島県・沖縄県 |
地方と聞くと、田舎を連想する人が多くいます。
しかし、3大都市部に当てはまる県も含まれていることから田舎であるとはいえません。
地方の住宅は、広い土地を確保できることから都市部では難しい平屋の家や庭付きの家を建設できます。
さらに、地方の住宅は隣の住宅と距離があるため隣人を気にすることなく自分好みの家作りができるのです。
都市部暮らしの良い点・悪い点
都市部暮らしに憧れ、定住する人はたくさんいます。
都市部の人口は、東京圏では増加傾向にあり、都市部に人口が集中しているのです。
都市部に移住する人が多い理由として、進学や就職、都会への憧れなどが挙げられます。
都市部での生活は、利便性の良さや新しい情報を早く入手できるなどの良い点が多くあります。
しかし、都市部に人口が集中すれば地方の過疎化が進むなどの問題も出てくるのです。
都市部に人口が集中することによって、交通渋滞や通勤•通学ラッシュなども起きています。
都市部暮らしをするにあたって、良い点はもちろん悪い点もあるため両方を知った上で移住するか判断しましょう。
都市部暮らしの良い点
都市部暮らしの良い点は、以下の通りです。
- 利便性が良い
- 多くの仕事がある
- 新しい情報がすぐに手に入る
それぞれ、詳しく解説していきます。
利便性が良い
都市部暮らしを選択する理由として、利便性が良いことが挙げられます。
共働き世帯が増えている現代では、時間は貴重な存在です。
通勤時間が短縮できれば、ゆとりを持って行動でき家族と過ごす時間も増やせます。
子供がいる世帯でも、利便性が良いところに住んでいれば保育園までのお迎えにも間に合うため遅い時間まで働くことが可能です。
利便性が良いこととは、交通の利便性だけでなく生活の利便性が良いことも含まれます。
生活の利便性が良いとは、近くに買い物する場所があり、銀行・病院・学校が近いことなどが当てはまります。
都市部暮らしでは、交通の利便性はもちろん生活の利便性が良い地域が多いことが特徴です。
多くの仕事がある
都市部ではさまざまな職種があり、やりたい仕事を選択できます。
就きたい仕事を求めて、地方から上京する人も多くいるのです。
地方から上京する理由の1つとして、都市部には上場企業が集中しているからといわれています。
日本には、3,866社の上場企業がありますが、その内の75.6%にあたる2,937社が都市部に本社を置いています。
参照元:日本の各都道府県の株式会社数と上場会社数 | 上場企業サーチ
このことから、本社に就職できるなど都市部では多くの仕事の中から選択できる可能性が高くなるのです。
新しい情報がすぐに手に入る
都市部では、新しい情報はすぐに手に入ります。
最新の情報や話題のお店などは、都市部から発信されることが多く、都市部は新しい情報には敏感です。
例えば、オリンピックや万博などのイベントは都市部で開催されることもあります。
都市部に住んでいる住民は、いち早く情報が手に入るのはもちろん、イベントへの参加も可能です。
都市部暮らしの悪い点
都市部暮らしの悪い点は、以下の通りです。
- 自然が少ない
- 家賃や土地の値段が高い
- 通勤ラッシュや帰宅ラッシュが辛い
それぞれ、詳しく解説していきます。
自然が少ない
都市部での暮らしは、自然が少ないことが挙げられます。
日本の森林面積は、約2,500万ヘクタールで日本の国土の67%、3分の2が森林です。
森林が多い日本ですが、多い地域と少ない地域に差があります。
都市部と地方の森林の割合を、比較してみます。
森林の割合が多い上位3つの地域
森林面積 | |
---|---|
北海道 | 554万ヘクタール |
岩手県 | 117万ヘクタール |
長野県 | 107万ヘクタール |
北海道の土地面積の70.6%は森林であり、全国の森林面積の22.1%を北海道が占めています。
森林の割合が少ない下位3つの地域
森林面積 | |
---|---|
大阪府 | 5.7万ヘクタール |
東京都 | 7.9万ヘクタール |
香川県 | 8.8万ヘクタール |
参照元:日本の森林面積とその割合
表から分かるように、都市部に当てはまる大阪府や東京都の森林の割合は、地方と比較しても少ないことが分かります。
住宅価格や物価が高い
都市部の住宅は、値段が高いのが特徴です。
総務省が発表している消費者物価地域差指数によると、物価水準が最も高いとされるのは東京都です。
さらに、都市部である東京都や神奈川県は住居費が高く全国平均を上回っています。
住居費だけではなく、教育費や交通•通信費、保険•医療などにかかる費用も都市部は地方と比較して莫大です。
他にも、生活していく中で必要となる生活必需品や食料品も、地方より都市部の方が高いことが都市部の特徴になります。
参照元:消費者物価地域差指数
通勤ラッシュや帰宅ラッシュが辛い
都市部での暮らしは利便性が良い反面、交通量が多く道路での渋滞も起こりやすいのが特徴的です。
さらに、朝の電車や帰宅時の電車は人が多く満員状態で常に乗車しなければなりません。
都市部では、移動するだけで労力がかかるのです。
都市部での生活は、知らず知らずのうちにストレスがたまり、体に支障がでてくる可能性もあります。
地方暮らしの良い点・悪い点
地方暮らしに憧れる人も、近年増加しています。
広い土地や自然を求めての移住や、都市部で生活することにストレスを感じて地方暮らしをする人もいるのです。
その他にも土地価格や物価が都市部よりも安いため、ゆとりある生活を送りたい人にも地方暮らしは支持されています。
しかし、地方での暮らしは利便性が良いとは決していえません。
近所の人との付き合いが密なことも、地方暮らしの良い点でもあり、悪い点ともなります。
地方暮らしの良い点や悪い点を知った上で、居住を検討しましょう。
地方暮らしの良い点
地方暮らしの良い点は、以下の通りです。
- 自然が豊かである
- 家賃や土地の値段が安い
- 人との交流が盛んである
それぞれ、詳しく解説していきます。
自然が豊かである
地方暮らしの魅力の1つとして挙げられるのは、自然豊かなことです。
都市部では自然が少ないのに対し、地方には自然がたくさんあります。
ストレスがたまりやすい環境に置かれている場合は、自然が少ない都市部では息苦しく感じることがあります。
地方では、自然豊かなところが多く、癒やし効果が得られるのです。
さらに、自然豊かな環境では水や空気がきれいであることも挙げられます。
都市部では、水道水を飲むことに抵抗があります。
しかし、地方では地下水を水源としている地域があり、水道水でもおいしくいただけるのです。
その他にも、ぜんそくなどの症状がある場合、空気がきれいな環境で生活することは重要となります。
地方暮らしでぜんそくの症状が改善されることもあるため、ぜんそくの症状がある人にとっては、地方暮らしは最適といえるでしょう。
家賃や土地の値段が安い
地方暮らしでは、都市部と比較して家賃や土地の値段が安いのが特徴です。
家賃が高いとされている、都市部である東京都では2022年7月現在総平均賃料(1部屋から3部屋すべてを含む)が73,160円とされています。
一方地方である鳥取県では、総平均賃料が43,801円となり、同じ広さの家でも家賃は大きく異なります。
参照元:全国家賃動向
同じ家賃だとしても、都市部では1LDKしか借りられないところ、地方では2LDKの広い部屋を借りられます。
広い土地を借りられることから、庭でプールやバーベキューなどもできるうえ、ストレスなく過ごせるのも地方暮らしの魅力です。
人との交流が盛んである
地方暮らしでは、地域の人との繋がりが強く交流が盛んに行われます。
都市部では、昼間に家にいる時間が少ないことや住民の頻繁な入れ替わり、単身者の増加などが要因となり人との交流は衰退傾向です。
一方地方では、地域密着型のイベントや行事が数多く開催されており、交流の場が多く設けられています。
都市部での、近所の人との交流がなくさみしく感じている人にとっては、地方暮らしは魅力的かもしれません。
地方暮らしの悪い点
地方暮らしの悪い点は、以下の通りです。
- 交通の便が悪い
- 閉鎖的である
- 住宅価格がの値崩れする可能性あり
それぞれ、詳しく解説していきます。
利便性が悪い
地方暮らしでは、都市部と比較して交通の便が悪いとされています。
地方暮らしの場合、通勤や通学に時間がかかる地域が多くあります。
在宅ワークであれば支障はありませんが、通勤時間が長くなると不便に感じられるでしょう。
台風や大雨などの自然災害の場合は、移動手段が限られるため、支障がでる可能性が高くなるのです。
さらに、医療施設についても都市部と比較して充実していません。
地方でのんびり過ごしたいと考え、仕事をリタイアしてから地方に移り住む人もいます。
しかし、医療施設が充実していなければ不安に感じることが多くなる可能性はあるのです。
人付き合いが密である
不便な地域で暮らす場合、住民同士で協力しなければならない場面があります。
そのため、濃厚な付き合いを好む人もいるのです。
地域の人との関わりが多い地方では、繋がりを大事にする傾向があります。
人付き合いが苦手な人や一定の距離を保ちたい人にとっては、苦痛に感じるかもしれません。
さらに娯楽が少ない地域では、人との交流が頻繁なため、噂話が広まるなど馴染めない要素があるのも事実です。
外部の人を好まない閉鎖的な地域もまだまだあるため、事前に移住したい地域について調べる必要があります。
住宅価格が値崩れする可能性あり
地方の住宅は都市部よりも安価で購入できますが、売却する場合は資産価値がほとんどない可能性があるのです。
別荘や投資用として購入している住宅であれば、値崩れすることなく資産として保有できます。
しかし人口が減っている地域では、需要がなければ売却することも難しくなるでしょう。
将来、家を売却して交通の便が良い都市部に移住する計画がある場合は、事前に売却時のことを検討する必要があります。
住宅価格は都市部の方が高い
住宅価格は、地方よりも都市部の方が高いのが現状です。
しかし、都市部に住む良い点は、利便性の良さや建物に資産価値がある点が挙げられます。
近年では、都市部のマンションの価格は上昇傾向にあり、需要はさらに高まるでしょう。
一方で地方に住む良い点は、住宅価格が都市部よりも抑えられることや自然豊かな地域が多いことです。
開発が進められている地域や地方に家を持ちたい人などが増え、地方でも価格が上昇している地域もあります。
しかし地方に住む悪い点は、利便性の良さや建物にあまり資産価値を多く望めない点です。
建物価格はもちろん、都市部と地方に住む良い点や悪い点を考慮した上で定住を考えましょう。